水源たる森林を守る

2012 年 9 月 6 日 木曜日 投稿者:mituoka

元国務大臣(内閣府特命担当大臣)の上川陽子さんから県司法書士会のもとに連絡が入った

森林を守るための法整備について当会の知恵を借りたいという

さっそく当会の西川会長、県司法書士政治連盟の水野会長とともに、静岡市葵区七間町の上川陽子事務所に行ってきた

森林は「水の工場」であり、基幹道路や発電所とならぶわが国の重要な「公共インフラ」である

しかし外国資本による森林買収事例を多数散見する昨今、私たち日本人の生命の源である「水」を、将来に渡って確保できるかという不安が高まっている

森林・水源地保全はわが国の安全保障の観点からも重要である

今年4月施行の改正森林法により、面積等の区別なく、森林を取得した者に対し「事後届出」が課せられた

また、条例により、独自に水源保全地域を指定し、取得しようとする者に利用目的などについて「事前届出」を課す自治体も出てきている

それでも、まだまだ不十分

思うに、手法としておおまかに次の3つがある

①「地下水については土地の所有権が及ばない」と定義する
②所有権取得に制限をかける(たとえば農地法における農地取得のように)
③地下水利用(取水権)に制限をかける

日本の民法において絶対万能の権利とされる所有権

特に民法207条「土地の所有権は、その上下に及ぶ」に新たな例外を設けることになる

私的権利と、公共インフラたる森林の持つ公益的権能との、バランスを上手に取ることが肝要だ

非常にセンシティヴな作業だが、(幸か不幸か)ここ最近の尖閣・竹島問題で高揚するナショナリズムは、この種の法整備を進めるにマイナス要因とはなるまい

当会では専門チームを立ち上げ、研究を続けるつもりだ

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