「クライアントへ伝達・確認いただきたい事項」

2011 年 1 月 21 日 金曜日 投稿者:mituoka

 大手消費者金融(A社とする)から各司法書士・弁護士に送付されている文書をほぼ原文のまま紹介する(青字部分)。

 クライアントへ広く伝達してほしい、つまり、世間に窮状を訴えたい、という先方の意向からすれば、会社名を公表しても差し支えないと思うが(むしろ公表すべきかもしれない)、一応、原文に記載されている実社名を「A社」と置き換えた。

 

           クライアントへ伝達・確認頂きたい事項

☐ A社は、過払い金返還を今後も継続して行なう意思はあるが、概ね過払元金の4割前後の返還でなければADR計画を遂行する事は困難である。

☐ 武富士の法的整理を経た過払金債権の配当は1割~2割と言われている。

☐ 法的整理の場合、過払債権者が配当を得るのは、手続き開始から1年以上経過してからになると想定されている。

【A社と4割程度の返還金で和解】

☐ A社は、ADR計画の遂行が見込める和解内容(4割程度)なら、躊躇なく早期和解に応じる会社である。

☐ 4割程度の和解金で了解頂けるなら、破綻のリスクも極めて低く、早期に過払い金を受け取れる。

【A社へ5割以上の返還金を希望】

☐ A社は、ADR計画の遂行が見込めない和解内容(5割以上)なら、訴訟上の係争も厭わず早期和解は困難になり、解決までには1年以上の期間を要する場合がある。

 

 要するに 「お客様全員に偏頗なく過払い金を返還し続けるために、ADR計画の遂行に協力してくれ、一律4割で和解してくれ」 ということだろう。

 私がA社の社員であれば、同様の思いを抱くはず。お立場はわかる。

 しかし、私たちはA社の代理人ではなく、依頼者の代理人である。その立場からは、次のように言うほかない。 

① 依頼者個人個人は過払い債権者全員の幸せに気を配っている余裕などない。自分の過払い金がしっかり返ってくればそれでいいのだ。

② そもそも、単なる私的整理であるADR計画遂行に協力する必要も義務もない。

③ ADRが遂行できないのなら、武富士と同様の法的整理を行えばいい。さすれば、過払い金がほとんど返還されずとも引き下がるほかないし、当方は依頼者に理解を賜るべくA社に代わって事情をしっかり伝達する。

④ 仮に、過去に依頼者が返済に困り「借金を4割に減額してくれ」と懇願したとしても、A社がそれを聞き入れることはなかったはず。虫のいい話である。

 「そんなこと、どうでもいいから、さっさと過払い金を回収してくれ!」

 依頼者にA社の意向を伝達しても、聞き耳を持たないであろう

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