ライフの移送申立、却下される

2010 年 10 月 28 日 木曜日 投稿者:mituoka

 先日このブログで紹介した㈱ライフから移送申立がなされた件だが、掛川簡裁はこれを却下してくれた

 同裁判所から送られた決定書の「主文」と「理由」を以下に紹介する

(主文)
 本件移送申立を却下する。

(理由)
1 申立人は、民事訴訟法16条1項又は同法17条に基づき、本件訴訟を神奈川簡易裁判所に移送することを求めているので、以下、検討する。

2 同法16条1項に基づく申立て
 本案事件は財産上の訴えであり、本案事件の不当利得返還請求権につき相手方の住所地が義務履行地であることは明白であり、同法5条1号により当庁に本案事件の管轄権があるから、同法16条1項に基づく申立は、理由がない

3 同法17条に基づく申立て
 移送申立書記載の申立人を取り巻く厳しい状況は理解できるが、そういう状況下においても、申立人が複数の事業所を有し、相当数の社員を擁する株式会社であるのに対し、相手方は一消費者個人であることに鑑みれば、申立人が当庁に出頭する負担より、相手方が神奈川簡易裁判所に出頭する負担のほうが大きいと思料される。また、一件記録によれば、本案事件は、複雑な事件とは考えられず、多数回にわたる審理は必要でないと思料される。そうは言っても、申立人が当庁に出頭するとなると、申立人に相当な負担が生じることは否定できないところであるが、民事訴訟法は、当事者の負担を軽減させるために、期日における答弁書その他の準備書面の陳述擬制(158条、277条)、電話会議システムの方法による弁論準備手続(170条3項)、書面による受諾和解(264条)、和解に代わる決定(275条の2)等の制度を設けているので、制度上、一度も出頭することなく紛争を解決することもあり得るのであるから、申立人の諸事情を斟酌しても、現段階において、本件事案を当裁判所で審理することによって当事者間の衡平が害されるおそれがあるとはいえない。

4 本案事件の進行については、相手方の同意を得られれば、申立人の実情を考慮して第1回口頭弁論期日で第2回期日を電話会議による弁論準備手続期日とする予定である。

5 以上によれば、申立人の主張は理由がないから、主文のとおり決定する。 

他の債務整理関連サイトのご紹介(2件)
 過払い金請求ガイド   司法書士法人静岡

コメントをどうぞ

*