過払い請求事件の新しいかたち ~民事調停による決着~

2010 年 10 月 13 日 水曜日 投稿者:mituoka

 10月6日に静岡簡易裁判所に訴状を提出した

 事件内容は新生フィナンシャルに対する過払い請求訴訟である

 その数日後、裁判所から電話が入った

 「この事件は民事調停に付します」

 過払い請求事件を早急に決着させる新たな試みとして「調停」を取り入れてみるとのこと

受訴裁判所は、適当であると認めるときは、職権で、事件を調停に付した上、管轄裁判所に処理させ又はみずから処理することができる~以下略~
(民事調停法第20条1項)

 本日午前10時から102号法廷において調停が始まった

 調停委員2名、原告代理人(私)、そして本訴担当裁判官も調停主任として列席

 相手方・新生フィナンシャルは電話会議による方法により参加したが、民事調停法においては、民事訴訟法170条3項(電話会議)の手法は準用されていないはず(この点、勉強不足のため間違いがありましたらご指摘ください)

 あくまで「参考意見を聞きたい」ということで裁判所から参加要請があったのだろう

 結論から言えば、ほぼ満額の13万円を11月19日に返還いただくという内容で話が付いた

 当初、相手方は10万円を希望していたが、こちらの希望額にかなり近づいた

 いわゆる「17条決定」による決着

 調停に要した時間はわずか5分

 なによりも、提訴してから1週間(!)というスピード解決が嬉しい

 裁判官によると、今後は過払い請求訴訟事件を民事調停に付すことが多くなるとのこと

 これも、やはり「武富士ショック」による影響だろう

 裁判に何カ月も費やしているうちに相手方が破綻してしまったら、過払い金が満足に返還されない状況になり、一般過払い債権者の保護に欠けるからだ

 また、「スピード解決」は裁判所の負担軽減にも役立つ

 これも裁判官によると、東京や仙台あたりでは、調停による決着は常態化しているらしい

 さて、調停が不調に終わった場合はどうなるのだろう?

 裁判官いわく

 「すぐに弁論準備手続に付して結審してしまう」 とのこと

 調停の場をすぐさま弁論準備手続の期日としてしまうらしい

 そのために被告を電話会議で参加させておくのだろう

 ただし、結審するには口頭弁論を経る必要があるので、おそらく、弁論準備手続内で被告に口頭弁論期日を言渡し(調停日と同日であっても問題ないだろう)、被告不在のまま結審し判決を言渡す算段と思われる

 つまり、1日で調停→弁論準備→口頭弁論→判決言渡と、流れ作業のように進んでいくのだ

 民事訴訟法が目指す簡易裁判所の本領に適うものと言っていい

 さすれば「民事調停」は被告に対して大きなプレッシャーとなり、有利な和解を得られる可能性が高まる

 早期の決着が見込める点と合わせ、原告側にはとてもありがたい話である

 この事件が、静岡簡裁において過払い請求訴訟を民事調停に付した第1号!

 いわば「試験的」に行われた調停に立ち会えて光栄だった

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