過払い金 |三岡司法書士事務所|静岡のまちの法律家

コラム

過払い金

2008/05/26

【過払い金の無料相談は電話054-251-2681まで】
 
 先日、ある女性から電話でご質問をいただいた。「HPを見たんですが過払い金を取り戻してもらいたいんです。」
 3月末のHP開設以来、多くの問い合わせがある。「過払い金」という言葉は社会一般に定着しつつあるらしく、これをキーワードとして検索し当事務所を捜し当ててくれたらしい。

 「各社との取引期間について教えてください」と尋ねると、「長いところで5社、短いところだと1年」という回答。当HPをご覧いただけるとわかるのだが、5〜6年の取引期間がある場合、借金がゼロになる期待が大きい。また、それ以上の期間になると過払い状態にありお金(過払い金)が戻ってくる可能性が高まる、と書いた。5年では過払い状態であるか微妙だ。その旨を伝えると、「でも払い過ぎていた利息があるのは確かだし、それを取り戻したい」と言う。「?」と思ったが、しばらくしてこの女性の言い分に正当性というか、一理あることに気づいた。
 我々は債務整理実務において、払い過ぎていた利息分(法定利息を超える部分)と現在の借金額(残債)とを相殺(そうさい)した金額でサラ金会社(消費者金融会社)と和解する。これを引き直し計算という。払い過ぎていた分が残債を超えるとき(これを『過払い状態』にある、と呼ぶ)に限り、超過分がこちらに戻ってくる。これらは法律家の間では当たり前のことになっている。しかし、この女性は相殺をしないで(つまりは残債を減らさず)、払い過ぎている分を取り戻そうと考えているらしい。残債については現在の規約のまま支払いを続けるつもりなのであろう。

 たしかに、そのお気持ちはわかる。多重債務に陥り一日一日の家計の苦しさから、当座をしのぐお金が少しでも入ってくればありがたいもの。また、理屈として「過払い状態になっていなくても」払いすぎていた分を取り戻すことが可能であるように思えたことだろう。取引期間の長短に関わらず支払いの都度、過払い金は発生しているのだから当然だ。しかし、引き直し計算においては、毎月の支払いにおける法廷利息超過分はその都度借金元本に充当する(相殺される)のが実務上、判例上の取り扱い。その結果として過払いであるか否かが決する。過払い金と借金元本を切り離して考えることは無理なのです。

 HP本文上で説明が不足している点について、この場を借りて補足させていただきました。
 しかし、今回の件によって私たち実務家の「言葉足らず」という悪癖がまたひとつ露呈した。過払い金が戻ってくるのは、引き直し計算してお釣りがある場合のみ(つまり、過払い状態にある場合のみ)であることを依頼者に説明する必要がある。
 私たちの常識は、一般社会での常識ではない。今後、ますます気をつけます。

コラム一覧に戻る
↑ページ先頭へ